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第23号 2004/4/14
  Digital Camera考察

第24号 2004/5/10
  Bi-Lingual

第25号 2004/6/11
  「士・農・工・商・印刷会社」

第26号 2004/7/11
  「トリセツ作戦チラシ」の再作成

第27号 2004/8/12
  Digital 印刷会社宣言

第28号 2004/9/12
  「篤印家」

第29号 2004/10/12
  「福祉を変える経営」小倉昌男著

第30号 2004/11/12
  DTPべからず集

第31号 2005/2/9
  二か月間閉鎖のお詫び

第32号 2005/3/17
  いけない談合・いい談合?

第33号 2005/4/5
  間違いだらけの印刷界

臨時号 2005/4/23
  両親へのRequiem(鎮魂歌)

第34号 2005/5/14
  皆々様からの弔意 本当に有り難うございます
  サポート情報

第35号 2005/6/9
  間違いだらけの印刷界Vol.2
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第35号

             間違いだらけの印刷界Vol.2


@「2008計画」を学習しない経営 Top の間違い

印刷界だけでなく、どの業界でも Bubble 崩壊後の新たな経営指針が Release され、再び
利益確保を模索されているものと思われる。
2002年2月から漸次、「全印工連(全日本印刷工業組合連合会)2005計画」が刊行され
た。
2年がかりの四分冊の Release には関係者のご苦労が忍ばれる。
当社内でも勉強会を開き、印刷界の現状把握と近未来の予測には多いに役立った。

社外勉強会では、この四分冊を Bible のように盲信している経営Topが居られたことには
驚いた。
「当社もそうだけど、御社の身の丈に合った経営計画をSegment(取捨選択)すべきでは
ないでしょうか?」と遠慮がちに疑問を投げかけていた。
著されていることは、机上の空論ではないけれども、あくまで理想論であって、全国の印刷
界の 5% 未満に適用されるような画餅だと言いきって反感を買ってしまった。

95% の印刷会社は、あくまで弱者である事を自覚し「Lanchester の弱者の戦略」を推進す
べきだと強調したかった。
右肩上がりの時代は、新規に受注見込みがなくとも新台 or 大台を導入すれば、それなり
に仕事が舞い込んで来ると言うよき時代だった。
振り返れば、当時の常識が異常であって、現在が正常なのかも知れない。

四分冊の著述にも多いに評価できたが、2008計画(業態変革推進プラン)は、より地に
足がついている感じで一気に読み終えた。そして当社にとって重要な箇所には Under
Line を引き、今も時折参考にしている。
2年余りの間に、昔は憧れてさえいた近隣 Top の方々の間違いに沢山遭遇した。
個人的には親しくおつき合いしているし、文章化しても波風は立たない方たちなので、憚り
ながら、お許しを乞いながらその例を記してみよう。

1,「2005計画」を Bible と捉えることも間違いだが、四分冊を学習していないTopの方が
  意外に多いのには驚いた。
  失礼は承知で、恰も羅針盤なしで遠洋航海に船出する船長のようで「時代に取り残さ
  れた燃え尽き症候群」のように思える

2,「2005計画」で懲りてしまって「2008計画」を学習しない Top の淡泊さは、間違いだ
  とは言えないけれども「羮に懲りてなます症候群」のように思える。

3,「2008計画」には、把握しておかなければならない用語が脚注及び巻末注に記されて
  いる。その血が通った懇切丁寧さに対して、制作委員の方に敬意を表したい。
  恰も Bible だと評価しても差し支えないほどの価値を感じる。
  私見は極論かも知れないが「2008計画」を学習されない Top は「猫に小判症候群」の
  ように思える。

4,私がひいた Under Line を見て「そのまま写すから1日貸して欲しい」と申し込まれた方
  が居られた。
  「当社に適用する重要事項は、必ずしも御社に適用するとは限りませんよ」と言いなが
  らお貸ししたが、失礼ながら「猿まね症候群」のように思える。
  何故なら、私自身が印刷界に身を置いて間違いばかり犯しているのだから。
  そのくせ臆面もなく、一家言吹聴しているのだから「根を捨ててその枝に注ぐなり症候
  群」のように思えて仕方ないのに………

5,親しい方から「2008計画さえ理解できない Top が多いのだから、ビジネスさんの言う
  こと自体が現実とかけ離れている。ええ格好し過ぎだ。」と優しく反論された。
  私自身、何の反駁も出来ないのが実状である。
  万全な体調ではないものの、「印刷」と言うなりわいへの思い入れは全く衰えていない、  と思いたいのに……
  暗中模索と試行錯誤の中で私自身「間違いを犯してばかりいる」事を認めざるを得な
  い。
  印刷会社の経営 Top は Private な時間を割いてでも勉強しろ、と言われる。勉強しよ
  うにも「勉強の仕方を知らない症候群」は案外私のことかも知れない。

先日、広島県印刷工業組合の喜瀬理事長(朝日精版印刷且ミ長)から含蓄ある Advice
を拝聴した。
「各社の都合に合わせて『ニ・マル・マル・ハチ』が『ニ・マル・マル・ジュウ』になっても『ニ・
マル・マル・ニジュウ』になっても構わないではないか。孤軍奮闘するだけでなく、業界全体
が長い Span で Scrum 組んで前進しようではないか」と、まさしく謦咳に接する思いであっ
た。

                                                鬼


第34号

   皆々様からの弔意 本当に有り難うございます


Mail Magazine (メルマガ)は、Weblog (ブログ)とは意を異にして、あまり公私混同すべきで
はないものと解釈しております。
前号は、余りにも私的な Contents であり、身内からは「何もそこまで晒け出さなくても」と
の批判があり、また私自身も少なからず同じ事を感じておりました。
ところが、発行後に余りに多くの方からそれぞれに心温まるお気持ちに接して「あれで良
かったのだ。両親の供養になったのだ」と言い聞かせております。
「両親の人となりをもう少し聞かせて欲しい」と言う Request がかなり有り、すぐ木に登る性
分なので蛇足を語らせていただきます。

父親は、若い頃から「飲む・打つ・買う」三拍子揃った Play Boy で、母親は随分苦労させら
れていたと叔母(母親の妹)から聞かされております。
前号で「Golf 三昧」と書きましたが、週に2〜3回は出かけており、母親が家事の力仕事を
頼むと「明日の Golf に差し支える」の一点張りで、母親が本気で怒っても馬耳東風
でした。
一事が万事その調子で「Golf と仕事とどちらが大事か」と問えば「Golf」と答えるのが
解っているので誰も口にしませんでした。
75歳を過ぎると自慢の腕前も衰え「ニギリ」に負けて、当社へ無心に来ておりました。
「手元不如意につき、お前10万円都合つけろ」二度目は私の留守に来社し「社長に10万円
用意しておくように伝えておいたのだが……」とのこと(大嘘)
帰社したらお局様が「社長、私のお金も立て替えて何とか10万円渡しておきました。ちゃん
と指示して頂けなかったので、もう少しで恥をかくところでした」
「ああ、済まん、済まん」父親にはちゃんと電話してから来社するように Claim したら、三度
目は Appointment をとって、集金に来ました。名刺の裏に、ご丁寧に金30万円半永久的
に拝借し候で事足りる人です。

実家に帰った折りにそのことを告げ口すると、母親はお金の使途を激しく追求しました。
「おなごが出来て、手切れ金が要ったが、別れたけえもうせびらん」(誰も信じとらん)
母親は腹の虫が治まらない様子でしたが、父親にとっては不肖の息子から小銭を無心出
来るという無上の喜びを感じている風でした。
家族麻雀が大好きで「土曜の夜まで仕事する奴は馬鹿だ。美味い料理と Beer が待っとる
から早くこい」罵声の電話が再三ありました。年とともに雀力も弱くなり、最後は大事なとこ
ろで負けてやっても気付かないようでした。

体格も良く剣道の達人だったそうです。足も速く、島根県では棒高跳びの記録保持者だっ
たそうです。織田幹生さんが「暁の超特急」の吉岡さんと高野を比べて「高野は素直でない
から指導に耐えられない」と言って投げ出されたそうです。
子供から見ても Dandy な Sence は抜群で羨ましかったのですが、惜しむらくは「継続努
力・辛抱」と言う言葉を知らない人でした。
「仕事は1日に1時間すれば事足りる」主義で、母親は「住み込みの職人さん」
の賄いや電話番に、そして現場にも出かけておりました。
われわれ兄弟も中学生になると、試験中でもお構いなしに家業の手伝いをさせられており
ました。姉は「三菱重工」に就職した後でも日曜日には手伝いをさせられておりました。
食事の最中でも「律子、たばこ買ってこい」の一言で、姉は逆らうこともなくお箸を置いて
買いに行かされる始末で、私は当時の父親を憎く思っておりました。

施主さん(=お客様)からの Claim 電話対応は私の役目でした。
「ご迷惑をお掛けしたのだから、オヤジにお詫びにお伺いさせます」に対しても
「ぐずぐず言うなら仕事はしたらん」式の「だんさん商売」に、私は本気で逆らっておりまし
た。息子と父親の喧嘩はどこの家庭でも似通ったものらしく、私の追求が余りに執拗なの
で、たまらず父親の方が家を飛び出すほどでした。
「俺、本当にオヤジの子かいな」興奮冷めやらず悪態をつくと、母親は「戦後のどさくさの
折り、しかも私しか知らない事じゃけえ滅多なことは言えません」
「中学3年生の息子に対して、母親の言葉かいな」と内心あきれながら、鶴の一声で矛を
収めた記憶があります。

母親からは、十冠十二支・春の七草・秋の七草・ローマ字・百人一首などは小学校4年生
頃に身につけさせられました。歌を覚えるのにあきたと見ると、いきなり「大江山ー、生野
の道の遠ければ、まだ踏みもせでかかの金玉」おっと「文もせで」(=文字や手紙の指導を
受けたことがない)を何と不謹慎な。母親の時代にもエッチな女学生は存在していたようで
す。学校の先生より遙かに的を射た、そして理路整然とした指導でした。
中学1年生までは英語にも厳しかったのですが、2年になると私の英語力の方が勝り始
め、逆に質問責めに遭うようになりました。
古い話で恐縮ですが、Lockheed 事件の折り、証人が「ピーシーズ」と言う言葉を使い、
それは何かと尋ねてきました。
「そんな英語はない筈」と答えても「あんたが知らないはずない」と容赦なく、暫く調べて
本当にないのが判明してほっとした覚えがあります。
高校3年の頃「トロピカル」と言う言葉がはやりだし、南回帰線はどこかと聞いてきました。
「Tropic of Capricom は地理的位置ではなく内面的思い入れで、Tropical 単体では意味を
為さない。ましてや Blonde Beauty (金髪美人)は有ってもトロピカル・ビューティーは聞い
たことがない」と答えてもなかなか納得してくれませんでした。
「リベートとディベートは違うのか」との問いには丁寧に答えてやり「母ちゃん、俺もう少々
の Debate (討論)や Negotiation (交渉)なら Yankee と渡り合えるよ」と言ったら「あんた
も Blonde Beauty の Pants を脱がすような英語を話せるようにならんとね」
「あのー、高3の息子に言うべきお言葉でしょうか? あなたのご主人の悪影響でしょうが
……」

To tell the truth. 実は、その母親が一度だけ涙し掛けたことが有りました。
まだ Type 屋で喰っていける自信がないときに、広島市から公務員にならないかとお誘い
がありました。親を安心させるために、良かれと相談したら大反対に遭いました。
父親は「こいつも馬鹿じゃないから、ちょびっと自分の心を売ってでも上手くやっていける
筈。ワシは賛成だ」に対して、母親は「そこまで落ちぶれる必要はない。私はこの子を公務
員にするために生んだ覚えはない」と涙目になっておりました。
公務員の方が耳にしたら憤慨されるかも知れませんが、お許し下さい。
仕方なく私は「オヤジ、母ちゃんがああ言うけえ、広島市には辞退届出しておく」といいなが
ら、結構母親の反対に納得したものです。
と言うのも、市側は私に福祉の Technocrat になることを望んでいたらしく、私はそれをな
りわいにすることは不得手な性格だったからです。

亡くなった親の悪口を言うのも供養だと聞きます。
これからは、どらオヤジ(我が家の隠語)の理不尽に接することもありません。
嬢ちゃん婆ちゃん・ハイカラ婆ちゃん(同上)の限りなく皮肉に近い Wit や執拗な質問責め
に遭わないので安堵したいのですが、なくなると言うことはやはり寂しいものです。

                                                鬼


臨時号

         両親へのRequiem(鎮魂歌)


この度の両親の死去に際し、親しい方や義理ある方に何のお知らせもしなかった非礼を
深くお詫び致します。
二人とも生前から華やかな葬儀は望んで居らず、どなたへも連絡せず、殆ど身内だけで
の密葬にさせていただきました。

母親は5年前から認知症状になり、完全介護の施設でCareを受けておりました。
当初は娘を連れて行くと喜んでくれておりましたが、訪れるたびに反応が薄れ、最近は肉
親の判別もつかなくなっておりました。
気丈な父親でも、そのことを苦にして「婆さんが死ぬ前にワシが先に行きたい」と漏らすよ
うになっておりました。
その父親は85才までは Golf 三昧で、92才までは碁会所通いをしておりました。
今年になって急に体調を崩し、4月17日20時に息を引き取りました。
18日に通夜を執り行い、19日に葬儀を済ませた帰路に、母親が危篤状態になり病院へ
駆けつけ、手を握っても無反応になっておりました。父親が寂しがっているだろうと、3分後
にあの世へと旅立ちました。93才と87才の天寿を全うし、見事な大往生でした。
姉や弟は号泣しておりましたが、何故か私は落涙という一抹の甘美にさえ浸ることが出来
ませんでした。
死別に対する感じ方は変わらないのに、両親に対する思い入れには特別なものがあり
ました。

海外生活の長かった両親は「お前の才能を十分発揮できる大人になれるよう継続努力
しなさい。詰まらんしがらみで、うじうじとした狭い日本に甘んぜず、世界に目を向けなさ
い」と。
いつしか小学校の頃から「世界を股に掛ける Journalist になるぞ」が私の夢になっており
ました。
最低でも5,6カ国語を喋れるように、と中学前には英語的 Sence を身につけさせられ、
教会の英会話教室に通わせてくれました。
岩国の Base Camp から教えに来てくれる Teacher の娘で、1才年上のとてもとても気だて
の良い黒人中学生と親しく会話するようになりました。
「大きくなったら、ああいう子をお嫁さんにしたい」と言ったら、母親は「あんたが海外赴任
中で、私たちの死に水を取ってくれなくても一向に構わないが、黒人はちょっと」と顔をしか
めました。
父親は「お前の年齢ではまだ『おなご』の本当の良さなど理解できんが、年頃になって心か
ら惚れた女だったら顔の色など関係ない」さすが若かりし日の Play boy と Sympathize し
た記憶があります。

二人への思いが激変したのは、思い起こせば、私が同志社大学2年生の時に、器械体操
の鉄棒の着地に失敗して車いすを使用する身になった時からのことです。
救急病院での初期治療に大きな Mistake があったらしく、大学の顧問弁護士や体操部の
監督が父親に「訴訟」を勧めておりました。
父親は一日思案して「元々、この子が下手な体操していての事故だし、医者さんのせいに
ばかりは出来ない。まだ20才だから、10年掛けて裁判に勝って金を手にしても足は治らな
い。それならその10年の間に自分の生き様を見つけさせます」と慇懃に拒否しました。
泣き言や弱音を吐くことが許されない父親に対し、私は「どうやって生きていけば良いか
解らん」と言うのが精一杯でした。
「怪我をしたのはお前だから自分で見つけろ。外国へ行ってでも手術して治るなら、全財産
を処分しても構わん。親だから見捨てるわけにはいかんが、お前がしょぼくれて生きるなら
飼い殺しにしてでも喰わしてやる。ましてや、お前の怪我で我が家の生活が乱されることは
認めない」と厳命し、母親が京都で看病することさえ許されませんでした。
ほんの少し不安があったものの、厳しい躾には慣らされていたせいか、母親が側にいない
と泣きごとを言わずにすみそうなので、安堵する気持ちもありました。

その母親は、あれ以来37年間余り、ただの一度も私の目の前では涙を見せませんで
した。
蔭では号泣しているだろうな、と察しつつ「母ちゃん、迷惑掛けてごめん」の一言も言わず
に、死に物狂いで Rehabilitation に取り組みました。
今思えば、極限状態での不安感・焦燥感・無力感を掻き消す為にも Rehabilitation は役
立ってくれました。
一日も早く社会復帰するためにと、人の10倍くらい、鬼のように Rehabilitation に取り組み
ました。松葉杖を突く手のひらが裂けて血だらけになっても歩行訓練を辞めませんでした。
父親は私を直視できなかったらしいのですが、母親は後ろから「一、二」と声を掛けてくれ
ました。
お陰で早期に退院し、Paralympic 日本代表 Team の Captain も経験し、水泳・Bascket
Ball は今でも現役です。丈夫な体に生んでくれた両親に、今更ながらに感謝しております。

父親は私に、家業の電話番をさせながら福祉のお手伝いでもして、温室で生きることを
望んでおりました。
車いすでは建築現場に出られないので、家業は弟に委ね、和文 Type writer を購入して
印刷会社の下請けを始めたのが、この業界に入るきっかけでした。
Type 代を集金して、実家に食事代を入れられるようになったときは、何とも言えない充実
感を感じました。
目指していた夢との Gap を感じる暇もなく、自分の稼いだお金で食費を賄える小さな幸せ
を噛みしめておりました。
その Type 代金がたまって貯金を始めると、母親は不機嫌な顔をしておりました。
「足が不自由になったのは運命だから仕方かたないが、あんたが世間から取り残されるの
は我慢できない」と、あらゆる事に以前と変わらぬよう厳しく接してくれました。
入院中、隣の Bed に証券会社の営業マンがおり、毎日株取引の勉強させられていたこと
もあり、仕方なく株を買い続けさせられました。
下請けを辞めて本社を購入するときや M & A (他社買収)時には、株価の値上がりが
援軍になってくれました。

少し前の話ですが、湾岸戦争時に Jouranalists が本国へ引き揚げるのを見て「お前だっ
たら地下に潜ってでも取材活動を続けていたのだろうな、やれ恐ろしや」ご夫婦・兄弟とも
私の頑なな性格を見抜いておりました。
実は、その頃までは車いすでの Journalist 活動は無理だと諦めていましたが、もしかした
ら可能だったのかも、と思えるようになっていました。
「未練はまだあるか?」との問いかけに「自分の才能を過信して、鼻持ちならぬ性格の儘で
いたかも知れない。26人(当時)の社員を抱えた社長業は、自分の生き様に反するほどの
妥協と、言うに言われぬ辛抱の連続だから…………生まれ変わってもビジネス印刷
センターの社長でありたいのかも」
当時の二人の、涙腺がゆるみながらの満足げな顔が忍ばれます。

母親の影響もあり、温室を拒否して烈風吹きすさぶ世間で生きることを選択させられ、
おまけに Digital 印刷・Ondemand 印刷で時代の矢面に立たされることに価値観を見いだ
しておりました。
それでも二人への Balance Sheet は大幅赤字の儘ですが、せめて後の世のため、印刷
界のために微力を尽くしたいものです。
皆様への不義を深くお詫び致すとともに、生きとし生かされている今を感謝し、両親を静か
に静かに見送ってやりたいと思います。
お心遣い本当に有り難うございました。

2005.4.23

                                株式会社ビジネス印刷センター
                                  代表取締役  高 野 繁 義


第33号

          間違いだらけの印刷界


@ISO や Privacy Mark に対する意識の間違い

印刷界では、ISO や Privacy Mark に対する感覚が間違っているように思えて仕方ない。
「御社は ISO を取得しているのに、社内 Manual は不徹底だな」が皮肉どころか、嫌みに
なり、人間性を疑われかねないので言わないようにしている。

おまけに、ISO 認定業者の中には低 Level な Commercialism のみになっていて、認定
資格自体が疑わしいのが現状ではあるまいか? 
ISO に殆ど権威を感じないのは「負け犬の遠吠え」になるのだろうか?

ISO14001では「環境」を重視して、コピー用紙は印刷済みの裏面を使用するように推奨
されているはず。
しかし、Privacy Mark 取得時には Security 重視になり使用済み用紙の裏面コピーは
「不可」となっている。
DM 配布等でも極端に Nervuous になっているが、訴訟大国のアメリカのDM普及率は
日本の5倍以上の筈?

4月1日より「個人何とか法」施行で、当社も「Data 預かり袋」と言う封筒や「個人情報預か
り証」と言う複写伝票や「個人情報保護に関する当社の対応」と言うリーフレットと下敷きを
作成した。
お客様に配りながら、ささやかな提案型営業をして、その類の発注を頂いている。

Commentator や Consultant は喰うために頑張っているのだから批判する気持ちはない。
もしかしたら経産省の天下り役人の食い扶持を増やすために……などと穿ったことを言う
と「ひねくれ者」と烙印を押されるので言わないけれども……。

ISO にも Privacy Mark にも余り価値観を見いださずに、先延ばしにしている当社はその
うち大きな Business Chance を失うという間違いを犯すかも知れないが……。


@少子化問題の捉え方の間違い

「少子化で産業構造が空洞化する」と煽られているが、果たして Demerit ばかりであろう
か? 昔から「狭い日本……」と言われているのだから、仮に人工が半分になったら一人の
専有面積が倍になり、ゆとりのある生活が……と短絡的な発想は間違いであろうか?
国としての体力は落ちるかも知れないが、国民一人一人の生活には「ゆとり」が生じるよう
に思える。「国家の方が大切だ」と言う政治屋さんには怒られそうだが……。

当然、印刷需要も減るだろうが、印刷会社の数が減れば均衡は保たれる筈では?
残念ながら当社も淘汰される側に位置しているが、今のようにお客様の超理不尽な Needs
や Wants (=赤字受注)に「人間 Ondemand」で対応しなくても済むように思えるのだが
……。
私の「少子化問題への捉え方」捉え方は間違っているのだろうか?


@Jagra と全印工連合併 Enquete の解釈間違い

当初は全印工連にのみ所属していたが、15年前に Jagra にも加入した。
写植・Typress から専用組版機への転換期に、Jagra の情報入手が不可欠と判断した為
である。
Jagra の機関誌「月刊グラフィックサービス」と全印工連の機関誌「日本の印刷」とでは、情報の
質・量とも比べるまでもなく前者が優れている。
Jagra の中国地方機関誌「中国」にもよく出稿しているし、「Collaboration 作戦」 etc. では
多いに協力させていただいている。
青木専務理事には一目おいているし、女性事務局員の並木様とは一夜を飲み明かした
深い仲になっている。
改訂版「e-JaB」にはいち早く登録し、当社の「下敷き」も Category として追加していただ
いた。
YAHOOの「下敷き」を検索すると43万件中の Top に Ranking されているが、Jagra のお陰
も大いにあろう。

それでも私は、体力の残っているうちに全印工連との合併を進めるべきだと言いたい。
法人格が違うと言うことは、所詮過去の人が決めたことだから、不都合なら今の人が
法改正すれば済むのではあるまいか? 
経営規模が違う事を極端に気にしている会社もあるが、Jagra の経営戦略でも「今は規模
の大小で受注できる時代ではない」と言う理念の筈では?

「景気が回復しても、印刷需要の回復は望めない」のだから「小異」を捨てて、合従連衡と
言う「大同」につかれんことを望みたい。

Jagra の Enquete では、合併賛成派は「まだ30%」しかない、と捉えられている。
仮に Enquete 分析に「2割・8割の法則」を当てはめてみよう。
世の中は、新たなひとつの流れが2割に達するまでの速度は遅々たるものらしい。
しかし、一端2割の Share を越すと、新たな流れは一気に増加するらしい。
「まだ30%」ではなく「もう20%」を越したと解釈してみたい。
願わくば、全印工連側でJagraと言うMinorityに対する「過渡的優遇措置」を講じていただ
き、Trouble 発生を極力抑えて頂く事を望む。

                                                 鬼


第32号

         いけない談合・いい談合?


ある大きな○○公○には、当社以外に3社が「業者登録」して「入札」受注をしていた。
当社は4社目の新参者なので、いわゆる「冷や飯」を喰わされていた。
「落札価格」は市価の150%位だったが、それには訳があった。

「発注担当者」の理不尽行為が甚だしく、5校・6校まで提出させられ、しかも納品した印刷
物にケチをつけて刷り直しもよくあった為に高額落札になっていたらしい。
当社の落札物件に対しても、案の定、枝葉末節にまでケチをつけられ、新参者と言うこと
もあり「イジメ」が繰り返されていた。
あまりの理不尽に対応させられていると、納期に間に合わない状態に陥っていた。
営業マンも困り果て、仏の私にお呼びが掛かった。
「納期に間に合わないなら使命停止にするぞ。印刷代金は支払わないぞ」と凄むので
「仕方ありません、どうぞご勝手に」と返答するしかなかった。
それでもまだネチネチしつこいので「我々は、印刷という仕事に命を懸けている。お前達のような世間知らずに舐められてたまるか」と、ケツを、失礼お尻をまくって退去した。

当然、出入り禁止になるものと覚悟していたら(私の小さな声?を)聞いていた上司から
詫びのTELが入った。
「業者さんに迷惑をお掛けしないように指導しているのに………(ホンマかいな?)申し
訳ない。
修正追加料金も支払うから何とかして欲しい」立つ鳥跡を濁さず(もう濁してしまっている
のに)の金言もあり納品してやることにした。

年度替わりに、出入り禁止の通達もなく、くだんの担当者は転勤させられていた。
そして印刷同業者からも誉められて、当社の存在感は大きくなってしまった。
口数も少なく大人しいのに? 「談合柱」にさせられてしまった。
「談合柱」とは、お話会の食事代やコーヒー代を負担させられ、入札も一番最後に落札す
る貧乏役になる事で、それにより良好な関係が保たれる。
そして「談合柱の良心」により、落札価格も今までの半分位になり、市価の 80% 位までに
下がって○○公○にもメリットが生じていた。
その後、印刷出入り業者は7社に増えていた。
そうすると極端な値崩れ( Dumping )が始まった。
新規 Dumping 業者に対して、既存業者達が当社不在時に「余りに Roule 違反していると、
鬼が何するかわからんぞ」と優しく通達したらしい。
仏のビジネスのことを鬼だなんて何とひどい言い方をするのだろうか??
それでも、通達が功を奏して良好な関係が保たれ続けた。
しかし、Bubble 崩壊の影響もあり、出入り業者は40社も登録されるようになった。
こうなると、話し合いも何もなくなり「見積合わせ」に行く事が億劫になってしまう。

○○公○の担当者に呼びつけられて「御社は談合柱をしていたのか?」と尋問された。
仕方ないので「今は違うが、数年前までは親分をしていました」と正直に認めた。
 「発注担当者が落札価格を漏らしたり、市価よりも極端に高値なら犯罪だけど、8掛け
  納品だから悪いことをしていたとは思いません。勿論、良いことだと言い張る気はあり
  ませんが」と付け加えた。
担当者は、口先だけでも否定して欲しいような顔つきだったが、私は嘘と髪の毛はユワナ
イ性分だから仕方ない。

年度替わりに「更新手続き」をしていなかったら、締め切り期限を1か月経過してから更新
手続きするようにとの連絡があった。
「期限も過ぎているし、談合柱していたから当社は資格はないでしょう」と返答すると
「可変賞状やオンデマンドは御社がしてくれないと困るから、至急手続きして欲しい」と
言われた。
面倒くさかったが、余り波風立てるのも良くないので、仕方なく更新手続きを済ませた。

最近、Dumping 業者が倒産して、年契(年間契約)の仕事が宙ぶらりんになって困っている
らしいが、当社は Out Sider 知らぬ存ぜぬを決め込んでいる。
「電子入札」開始も目前で、同業者から「ビジネスの十八番だ」と囃されるが、値崩れが
激しいので何の魅力も感じない。
見積計算違いで落札したら「赤字受注」になる方が怖い。

広辞苑を開くと
「談   合」=話し合うこと・談じ合うこと、と記されている。その次に
「談合請負」=多数の請負人があらかじめ談合して入札価格や利益配分を定めておいて
         請負入札をすること
「談合行為」=競売や請負入札に際し、入札者が事前に相互間で入札価格などを協定
         すること
「談 合 尽」=話し合いの上ですること
「談 合 取」=競売や請負入札に際し、数人が申し合わせ、一人に落札させて、その利益
        を分配すること。「団子取り」ともいう
「談 合 柱」=話し合いの頼りとする人。相談相手となっているが、今日では「談合柱」は
        悪の権化と言う Image のみになっている。

                                                 鬼


第31号

      二か月間閉鎖のお詫び


メルマガ発行が2か月間滞り、あちこちから問い合わせがありました。あらためて責任を感じるとともに深くお詫び申し上げます。
昨年夏頃から年賀状受注倍増作戦を展開したお陰で、11月中は昨年度比200%の受注件数になっておりました。
12月になっても、なかなか減少せず最終的には昨年度比180%で終了しました。年末の繁忙期に、年賀状専任担当者2名にはかなりの負担になります。社員に風邪ひきがでると、残された者は過酷な状態が待ち受けています。「風邪ひくな」「2時間以上残業するな」「雑用はするな」と優しく声掛けて何とか越年出来た次第です。

今年になってメルマガ発行しようとした矢先にNet引き合いが急増し、1月だけで「Ondemand下敷き」6件受注しました。
どうも様子が尋常でないので、取り留めもなくYAHOOの「下敷き」を検索したところ20万件中2番にRankingされておりました。
「SiteRank」と言う人気投票でも3番になっておりました。当社が特別の努力をしたわけでもなく、余りLinkを貼っているわけでもないのに、もちろんSponsor料金も一文も払っていないのに………多くのお引き合いをいただき、そして発注していただくお客様の検索数によりRankingがUpしたわけです。
本当に有り難い話です。

「Clicks & Mortal」こそNet受注の成功の鍵だと言われているのに、最近はStaff不足で100頁余のホームページも殆ど更新していない現状です。怠慢を多いに反省し、初心に返って読者の皆様に新たな情報を発信させていただきます。今後とも叱咤・ご批判をお待ちいたしております。

                                                 鬼



第30号

            @DTPべからず集

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@DTPべからず集           

昨年までは「 Data 入稿 Manual 」の月次書換が必要だったが、最近は3か月に一度の書
換で事足りるようになった。それを機会に、社内 Meeting で「 Digital で儲ける為の統一見
解」を討議した。当社の「 Data 入稿 Manual 」は社外秘なので紹介できないが、Meeting
の Digest 版を以下に Release する。
社内資料なので Client 側からは若干失礼な事も記されているがお許し願いたい。
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Digital であれ、Analogue であれ、「情報伝達」の Trouble 発生には、以下の三つの原因が考えられる。
   1. 「情報発信者」に問題がある
   2. 「情報受信者」に問題がある
   3. 「双方」に問題がある
1.の問題発生の殆どは、最初の情報は発信者である Client 側に帰する。 
2.は、営業マンもしくは Prepress 部門の「情報受信姿勢」もしくは「情報受信能力」に帰す
る場合が殆どと言える。
しかし、我々 Data 処理の Professional としては、Client の不充分な情報を十分な情報に
Design し直して完成品に仕上げることが要求される。
下記図式が一方通行になっていないのは、「情報の Catch Ball 」が完璧に行われる為に
は社内 Communication が不可欠なことを意味する。
1. Client 〜営業マン〜 Client 〜営業マン
2. 営業マン〜 Prepress 部門〜営業マン〜 Prepress 部門

@KeyWord 1 「急がば回れ」
 Data処理であれ、Analogue 原稿であれ、5W1H さえしっかりしておれば、印刷会社として
 Commercial base での対処は可能になる。
 逆に、それが不充分で「解るところと、解らんところが解らん」状態で、「急ぐから」と言うこ
 とで見切り発車(=安請け合い)するから土壺に嵌ってしまう。
 その結果「 Data 処理は難しい」と負け犬の遠吠えが虚しく響く。
 不充分な Data を受けても「経営 Top 」「営業マン」「 Prepress 部門」が三位一体となって
 対処することを当社の「売り」としている。
 Prepress 部門は可能な限りの裏技・力業を使って処理してくれるし、営業マンはお客様
 の罵声には頭を下げながらも内心はびくともしない強かさを備えている。
 お客様の「他社では出来ないのに、ビジネスではできるんだなあ」は何者にも変えがたい
 が、徒労を省いて、更なる Cost Down の為にも以下に落とし穴を羅列する。

@KeyWord 2 「解るところと解らんところが解るように」
 我々は Data 処理の Professional だと言う自負を持って、営業マン+ Prepress 部門が
 連携して対処することにより他社との差別化を図りたい。
 まず、Client & 営業マン の双方が「出力環境」に関心がないか知識が欠けている事から
 Trouble 発生のマグマが発生し始めている。
 Data の入った Media を受け取るときに
 1. Application softの名称
 2.     〃     の Version 及び Format
 など、「制作に関する情報」や「出力寸法」「用紙の種類」「部数」「製品としての必要な条
 件(納品時の仕様・体裁etc)を含めた印刷条件」の把握が不充分では儲けにならない。

@KeyWord 3. 「投げれば出来る、は我が儘もしくは知恵遅れ症候群」
 一部しか情報を相手に発信せずに「相手は Professional だから120%の仕事をしてくれる
 だろう」と過度の期待をする Client は、Data 発注のみならず通常の印刷発注担当者とし
 ても不適格者と言える。
 その不充分な情報を「カクニン」せず、中途半端なやりとりで引き受けてしまうと営業マン
 も「印刷受注不適格者」になってしまう。
 「情報発信」とは、どんな賢い人でも不充分なものであり、「受信者」の立場で印刷物を作
 成する上での不充分なところを「カクニン」してこそ Digital に強い営業マンと言えよう。

@KeyWord 4. 「出力見本と校正紙は似て非なるもの」
 「出力指示書」どころか「出力 Sample 」さえない状態での受発注で Trouble 発生しないの
 が不思議である。
 現実には当社でも、Prepress 部門はそれらにも殆ど対応しているが、File を開く Cost だ
 けでも数倍になってしまう。
 Prepress 部門〜営業マンへの情報発信の図式(情報の Catch Ball )は、この場合にこ
 そ重要になる。
 「おとなしいだけの単能工的 Operator でなく、不都合には自分の意志で Complain 出来
 る Cordinator が望ましい」とは、今や Prepress 部門にも幾ばくかの経営感覚醸成が望
 まれるから。
 Final Data の「出力見本」と「校正紙」は全く別なものだと認識しておかないと大きな落とし
 穴に陥る。不完全な「出力見本」を渡しておいて、納品後に Claim 発生したとしても対応
 できない。
 情報発信者は「ちょっとくらいミスがあっても構わないし、とにかく急ぐから」と言われて安
 請け合いは御法度にしたい。

@KeyWord 5. 「出来ない」と「したらん」は全く別次元
 Application soft の Version が新しければ Bug 発生が危惧されるし、古すぎても対応出
 来ない場合がある。(ex. Rich Text Converter)
 Font 情報が不充分だと、いくら優秀な DTP operator でも対応できない。情報自体
 (Font 名)は正確でも、手に入りにくい Font や添付出来ない Font もある。
 Net で購入することは Cost up になるから忌避したいが、それでもどうしようもない場合
 はやむを得ない方策になる。しかし Net 購入できない Font はお手上げになる。
 Free-lance の Designer によく見受けるのが、以下のような初歩的 Mistake であろう。
 1. 「トンボ」がなかったり
 2. 「塗り足し」設定が為されていない
 3. 「写真貼付」が寸足らずで不完全
 4. 「網点設定」が薄すぎる or 濃すぎる
 5. 「罫線」が細すぎて再現できない
 6. Font が「アウトライン」出来ていなかったり「影文字」処理 etc が再現できない
 受注後に対応不可能の Sygnal を発信すると「写真は拡大して塗り足してよ」とか「 Font
 は適当に置き換えてよ」とか「とにかく急ぐんだから、印刷会社なのにそんなことも出来な
 いの?」と言う感覚には当初面食らったが、当社から宿題を課す事にしている。
 宿題とは、「1.〜6.」は、制作者 Side で行うべき事で、我々が修正すると最初から創るよ
 り高く付くことを粘り強く指導している。
 「出来る、出来ないではない。信頼性に欠けることや儲からないことは、したらん!」

@KeyWord 6. 「Data 受注 Manual 」の Real Time 書換え
  Up Date な「Data 受注 Manual 」無しで営業活動しろというのは、Fender Mirror 無しで
 車を運転するようなものと言えよう。
 Data 入稿に限らず「投げれば出来るだろう」発想にもなるべくなら対処するし、当社の処
 理能力を評価下さるお客様の人間性を云々することは許されない。
 とかく他人の作業を軽く見る(=他人の職業を低く見る)のが日本文化の悪い癖だと言わ
 れる。自らが作業すべき任務でも、面倒だからと他人に押しつける風習は欧米にもある
 のだろうか?
 人間 Ondemand 対応も、それ自体が「銭」になるのなら、何ら苦痛ではない。
 Manual は Bible でもなければ打ち出の小槌でもない。
 究極は三位一体の「勉強・勉強・勉強」の積み重ねしかないように思える。

                                                鬼


第29号


        「福祉を変える経営」小倉昌男著

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1、「福祉を変える経営」小倉昌男著

前回の「ある障害者作業所職員」よりのReportを掲載したら、思いがけなく疑問符の反応
が多かった。メルマガを発行していて賛同頂けることも嬉しいが、反論や疑問の Response
があることにも手応えを感じる。
「Digital 印刷会社宣言は、我々 Professional な業者でさえ理解しづらい。障害者の作業所
職員があれだけの Report を書けることが疑わしい。脚色してあるのだろう」と言う類の疑
問が殆どであった。よくぞ尋ねて下さった、と頷きたい気持ちになっている。紛れもなく、原
文通りを掲載させて頂いたものであることを強調したい。

K作業所のA職員とは20年来のおつき合いをしている。K作業所は当社の近所にあった
ため、印刷を通じて運営に色々協力していた。数年前に法人化して、数km先に移転したの
で「近所にあった」と言う過去形になった。「慈善」とか「お情け」は忌避したいので寄付行為
等は多分一度もしたことはないように思える。しかし印刷というなりわいを通じて、K作業所
の利益計上には及ばずながらもお世話してきた積もりである。
当初は和文 Type writer の操作や卓上 Offset 印刷機の指導を夜遅くまで出張指導して
いた。
K作業所の職員も1か月以上、しかも複数名が毎日当社に実習に通ってこられていた。
PC の進化に対応して、そして職員の労働条件緩和のために、名刺 Printer の導入には
大賛成した。10年前くらいのことで、当時は町中の印刷会社でも名刺 Printer はあまり
導入していなかった。実は当社から「定価販売」して、操作から儲け方の Knowhow を徹底
的に指導した。数年前に二台目の導入実績もある。A職員は比較的PC操作に強く、印刷
物作成のための仕入れから販売価格設定まで、Hard 面でも Soft 面でも情報提供や
Knowhow 開示を惜しまなかった。今後も「印刷」を通じて、出来る限りの支援を続ける
つもりでいる。
以上で疑問の Mail に対する答えは充分なように思える。

「ヤマト財団の小倉理事長」も言っておられるが、弱者に対する配慮を勘違いしている人が
多い。弱者救済という哀れみでなく、この世に生きる価値は強者と全く同等であることを
認識していただきたい。この世に生きとし生ける者としての尊厳を大切にしてあげたい。
それでは、障害者の作業所に対して全面的に是認しているのかと問われれば、そうとも
言えない、と答えるしかない。作業所に対して行政が Back up することは当然の事である
が、Tax consumer に対して「税の二重払い」になる事も否めない事実である。
作業所にはその他諸々の問題が山積している。この言葉だけを短絡的に解釈されると、
血も涙もない人間失格の烙印を押されかねない。そんなに低次元で近視眼的発想で
語っているのではない。
それから、職員さんの殆どは、いわゆる「善人」で、職業人と Volunteer の区別が付かない
ほど献身的に働いている人も見受けられる。だが中には勘違いしている人も存在する事も
否めない。障害者のお世話を一生の仕事に選ばれた事には敬意を表するが、一般社会で
は通用しない Moratorium 人も存在するし「聖職」と言う言葉を勘違いしている人も見受け
る。
彼らは「差別」と言う言葉を忌み嫌う。「Digital印刷会社宣言」は、他社との「差別化」を前面
に打ち出している。作業所で作る製品の殆どは商品としての魅力は少なく、お情け的に
買っていただいている現状が我慢できなかった。
魅力ある「差別化製品」を作り、利益を計上して欲しいと常に願っている。
作業所関係や障害者福祉関係から猛烈な Bashing を浴びそうだし、A職員でさえ最初は
私の「差別化」発言に抵抗を示した。今では私の真意を理解してくれるようになった。

障害者作業所再考や作業所職員批判を Taboo 視する方が原理主義的で不自然だと思
う。Gesellschaft と Gemeinschaft の区別の付けにくいような無必要善(必要悪とは言いた
くないので)だからこそ、問題点を Close-up させて、改善充実を図ることが急務に思える。
批判覚悟で語っているのは、私自身、ヤマト財団の小倉理事長を私淑していることの影響
が大きいように思える。

「福祉を変える経営」(小倉昌男著、日経BP社刊)は経営書と言っても差し支えなかろう。
是非是非お勧めしたい名著だと明言できる。

                                                  鬼



2、葉書45円で立て替えいたします(営業部よりのお知らせ)

郵政公社になった時点で「官製葉書」と言う言葉は使えなくなっております。
しかし郵政公社も「永年親しんできた言葉だし、使われても禁止するわけにも
いきません」と言う見解だそうです。
当社は、目下年賀状印刷の予約受付準備で忙しくしております。10月中に予約
頂く件数が多いと、年末の繁忙期を Smooth に Clear することが可能に
なります。そこで、10月中に予約いただいた方には「官製?葉書を45円で
立て替え」Service することに致しました。郵政公社からは Claim が発生
することは間違いないのですが、調べたところ違法ではないことが判明して
おります。そのほかにも早期申込みには特典が付いております。
是非早めの申込みを頂くよう、お待ちしております。



第28号

                「篤印家」


■目次■

1、 「篤印家」
2、 サポート情報


「篤印家」

「Digital 印刷会社宣言」 Release 後の反響

7月号の Mail magazine (メルマガ)で、「トリセツ作戦チラシ」の申込みがあっという間に50
件に達した。拙い資料の送付申込みをいただいて恐縮の極みである。
H.P. の閲覧数も多い日には100件を越えてしまい、気の引き締まる思いがしている。締め
切り以後に申し込まれた方には、申し訳ないがまたの機会にお願いしたい。

先月号のメルマガ「Digital 印刷会社宣言」の Report 第3弾は長すぎるので、果たして最後
まで読んで頂けるかどうか不安があった。
この Report 提出には裏話がある。実は、Jagra 中国5県の持ち回りで、今回の機関誌発
行は広島県支部の担当責任だった。
誰も原稿を書きたがらないので、こういう時には得てして(最後の最後になって)私の所に
白羽の矢が立つことになっている。納入業者さんから多額の広告料を頂いているのに、本
文がお粗末だと申し訳ないので、可成り本気で推敲した。
ところで、今までも出稿させられていたものの、印刷製本を担当させてもらったことは一度
もなかった。いざ、どこの会社が製作するかと言う段階になると、
「ワシが、ワシが、今まで面倒見てきたので………」
「我が社なら安くて早いから………」
と血走り始め、私のような気の弱い者は蚊帳の外に弾き出されてしまっていた。
ところが今回は、今までと違っていた。
「どうせ Business 以外は原稿書く者がいないのだから、印刷製本も Business にさせろ」と
言うことになった。
なんと言うことであろう。「皆さん行儀が良くなった」と言う評価もあろうが、この元気のなさ
は、恰も今の印刷業界を象徴しているのではあるまいか? 
今までは印刷会社の「商魂の逞しさ」に呆気にとられながらも、「自分のように気の弱い者
は、心に鞭打たねば浮き世で生きていくことは難しい」
と言い聞かせ、教訓にしていた筈だったのに………
さて、手前味噌な Report を上梓したにもかかわらず、岡山・山口・京都から賛辞が届い
た。
調子に乗って、その一部を紹介すると
  「私共にも理解できる Level にまで噛み砕いて説明いただき、お陰で、興味深く拝見し
   ました」

  「貴殿は銭儲けと夜遊びだけの人かと思っていたのだけれど、『篤印家』でおられた。今
   後も活躍を期待する」云々

  「ここまで手の内をさらけだして良いのだろうか、と危惧したが、どうも真似できそうにな
   いほどの Knowhow の蓄積がありそうだ。感銘すると同時に今後の更なる活躍を期待
   する」
少々面はゆいが、悪い気はしなかった。限られた時間で精一杯の Report (8頁)を評価していただいたことに、素直に喜びを感じた。
そう言えば、「篤農家」と言う言葉は耳にしたことがある。
「篤農家」を辞書で調べたら「熱心で研究心に富んだ農業者」となっている。
Image としては、単に金儲けのためだけでなく、研究成果を近隣の農民にも分かち合う分
限者で、かつ相応の人格者の気風がある。
そこのところがどうも私とは違うような気がする。何故なら、「篤印家」と囃される(揶揄され
る?)よりも、私にとっては当社が儲かって経営安定することにのみ価値観を置いているの
も偽らざる本音であるから。
………で、締め切ろうとしていたら、心温まる読後感想が届いた。原文のままを以下に紹
介する。



ある障害者共同作業所職員より

社長の原稿を読ませていただきました。オンデマンドの定義が私自身も良く分からず、専
門家としても「確固たる定義がない」という言葉を読んで、少しほっとしました。分からないで
すね。

私は、この「よく分からない。」というところが、社長の夢を広げているのだろうと感じまし
た。「よく分からない」→「定義はない」→「何をやってもいい。」となってくるのではないでしょ
うか。
社長の原稿から次のようなことを思いました。

●ビジネスの新しいあり方が、はじまっていると感じました。
  これまで中小の企業は、その企業のもつ技術を高め、その企業内で完結される仕事の
  受注で商売をしていたのに対して、今は、その技術をネットワークやビジネスとしての取
  引関係の中に惜しげもなく公開して、お互いがあたかも大きな企業のような関係で得意
  分野を活かしあう時代。
  これにより大企業とも真っ向から立ち向かえるんだなぁ。と思いました。

●この10年社長が試行錯誤し続け、一つの像を描き出していることに敬意を表します。
  デジタル化、この言葉が、今では陳腐になってきました。
  つまり、当たり前になったということでしょうね。
  インターネットは、人が動き、車が動き、商品が動くという営業・流通分野を確実に合理
  化・縮小化・効率化させていってるなぁ。と思いました。
  私自身、もう20年近く前に、98ノートを手にしてワープロを使いだすなかで、ウィンドウ
  ズが出始めたころ、ネットワークがこれからのパソコンの価値をきめるだろうなと感じて
  はいました。
  私のような仕事の分野でもモバイルパソコンは、いまでは必需品です。
  ただ、この分野は、その活かし方をまだ定めきれず会議でノート(これもちょっと前までノ
  ー トは、ノートであったのに今では、ノートブックパソコンをあらわすようになってます
  ね。) を開いて記録しているものは、未だにほとんどいません。
 
●パソコンの普及は、業界の領域をなくしつつあると思いました。
  印刷という分野は、もうないのではないでしょうか。社長が、紙にインクをのせると表現し
  ていますが、その作業の占める%が、一部分になり、状況によってはその仕事がなくて
  も印刷業界の仕事は見つかる時代なのだなと思いました。
  おそらくほとんどすべての業界が、その殻を破りはじめていると感じました。ノウハウを
  知的財産と呼ぶ時代ですね。
  ビジネスさんの辞書に「できない。」という言葉が見つかりません。
  「やらない。」という言葉はありそうですね。 (^^)

●私は、金を稼ぐというのは、人ができないこと、人が嫌がることをやることだと思っていま
  す。そうなると印刷業界は、パソコンの普及で「人ができること。」の範囲が広がってきて
  いるから難しくなっているだろうと思っていました。ところが、社長の発想はそれにより、
  業界ができることも格段に広がってきていることも分かりました。そこに生まれてくる言葉
  は、「差別化」ですか。
  もちろん、すばらしいスタッフの皆さんの技術力もあって…。

●PDFファイルの話。すごいですね。私自身がPDFのことを何もしりません。
  ただ、PDFファイルというのは、すげぇーということは分かります。
 10年近く前にPDFファイルを見たときに、なんだ画像ファイルかなどと思っていましたが、
  その後、まったく違うことに気づいたときに「何だこれ?」の疑問はそのまま残っていま
  す。
  一つだけわかることは、一つの印刷物などの構成が「文字・画像など」の要素で作成され
  ていたのに対して、どうもPDFは、その要素をあやつれる単体のファイル(うまく表現でき
  ないのですいません。)なのかとおぼろげに感じています。このファイルは、印刷物とデジ
  タルファイルの境をなくすのでしょうか。Adobeの独壇場の時代も終わりつつあるのでしょ
  うか。

  最後に表面化するもの・具体化するものは、デジタルでも創意を生み出すものは、感性
  や垣根をはずした発想なのだと改めて勉強させていただいたと思います。

  今後ともビジネス印刷センターさんの発展と社長のお体をご自愛いただくように祈りしま
  してお礼とします。またぜひご指導下さい。
                                                   鬼




第27号

              
Digital印刷会社宣言


■目次■

1、 Digital 印刷会社宣言
2、 サポート情報

 Digital印刷会社宣言
(2004.5.11に「Jagra中国支部報」に掲載した原稿を加筆修正しました)

紙の上にinkを載せる仕事をしていてはメシが食えなくなるないのではないか? 
売上高原価率がどんどんUpし続け、荒利が極端に下がり始めたので杞憂に駆られてしまった。郊外(広島市安佐南区八木)にある印刷工場を廃棄する決心には可成りのEnergyを要した。
信頼関係を永く保てる数社をSegmentして、Collaborationを徹底することにより、現在はPost press部門の80%を外注で凌いでいる。
実は当社には「外注」と言う言葉は存在せず、あえて言葉にすれば 「 Work flowをChoiceする」と言う発想にしている。
「 Work flow を変えるのだから、先方にはお客様以上に頭を下げるように」指導している。
余談になるが、ある遠方の製本会社の社長がわざわざ表敬訪問で来社されたことがある。
「印刷会社の営業マンの姿勢には共通した Image を持っていたが、Business さんの営業マンはどの方も腰が低い。これは社長さんの日頃の教育によるものでしょう」と巧言令色された。
「いやー、彼らは入社時から元々そう言う資質でしたよ」と嘯いた。
今流行りの Collaboration や Alliance を成功させるには何よりも大切なことだと言い聞かせている。
さて、「Digital 印刷会社宣言」をして6年が経過する間に、今迄に中間報告を2度Releaseしたが、今回がほぼ完結編になろう。
と言ってもDigitalにお終いはなく最終編をReleaseすることは永久に無いように思える。

「Ondemand印刷」や「Digital印刷」と言う言葉に確固たる定義はないの
だろうが、当社風にこじつけてお話を進めたい。
────────────────────────────────────── @POD会社の定義は
 6年前の当社のConceptは以下の二行だった。
──────────────────────────────────────
  Ondemand印刷=必要なものを、必要なときに、必要な部数だけ作成 
  Digital印刷=あらゆるDataから24bit Color印刷を少部数でも安く・
          早く作成
──────────────────────────────────────
 当初はODPと言われていた筈なのに、いつの頃からか POD(Print On Demand)と言う呼
 称に変わり始めた。
 POD 印刷の定義は「必要なときに、必要なものを、必要な部数だけ」と言われているが、
 実はよく解らないのが本音だと言える。
 POD は一概に少部数とは限らず、儲かるときもあるが全然儲からない Job も ままある。
 Digital印刷はPODも含んだ広い意味に解釈して、「リソグラフ」や「DI」は、CTP同様に Digital 印刷のCategoryに回して、当社ではPOD=無版印刷と解釈している。
 それでは「Digital印刷会社」を標榜する特徴は何かと社内で論議した結果、「Offset印刷用 のInkよりTonerの購入額が多い印刷会社」と言う結論に達した。こじつけた、と解釈されて もかまわない。
 Tonerの年間購入額は高すぎるので、Groupで並行輸入することにより国内価格の60%位
 までに Cost down を図っていた。それでも悲鳴が出そうなので、POD が普及して現在の
 三分の一くらいの Running cost になることを願っている。

@Data処理Manualの月次書換え
 以前は3〜4年に一度書き換えれば事足りていたが、Data 処理の進化は著しく、まさしく Mouse yearと呼ぶのが相応しい。
 英語にDog year と言う言葉はあるが Mouse year が欧米で通用するかどうかは解らない。
 しかし Data 処理には Key board と Mouse は欠かせないので、駄洒落的にこの言葉が
 Global  standard になってもおかしくないように 思える。
 お客様に対して「No! or Difficult」と言っていたことが、3か月後には「Yes! or  Easy」に なることさえある。
 いままでの Manual 書換え Tempo では対応不可能になり、かつ Security 面も考慮して
 「速報」 で営業マンに伝達している。
 当社にとっての Data 処理 Technic は、少し乱暴だが、大まかに3つに分けられる
  1.WIN(Windows) と MAC(Machintosh)の Convert 処理
  2,Batch operating(バッチ処理)・Variable print(可変印刷)etc
    の Data 処理
  3,PDF・XMLetc の Broad band 対応

@PDFとXMLは親戚
 10年近く前頃から印刷 Commentator たちがSGML を喧伝し始めた。
 一生懸命勉強し始めた会社も見受けられたが、何のことはない、1%未満の先進会社以外 は全くの徒労に過ぎなかった。
 Standard Generalized Markup Language と空で言えても銭にはならなかった。
 しかし、当社でもWeb上ではHTMLを活用している。
 近未来には使い勝手のよいApplication Soft が商品化するであろうと推察され、その時に 初めてXMLを使うようになるであろう。
 XMLとPDF(Portable Document Format)は相反するものだと捉えていたが、実は親戚関 係だと考え方を改めた。
 おまけに「今こそPDFは銭になる」が当社の合い言葉になっている。
 印刷会社としての Knowhow は、Computer System 会社や Copy 事務業界との競合時
 に、差別化に大いに役立っている。
 PDFから4色分版出力は我々の十八番の筈なのだから、異業種参入者に対して垣根の高 さを守り通したい。印刷会社としてのContents処理能力の意地を通し続け、孤軍奮闘して いる。もっとも、彼らの方からは当社が異業種参入してきていると捉えているかもしれない が………
 ふんぞり返ったSEに対して「End Userの都合を理解できないで、Privilige 意識だけの奴は 町工場の職人に過ぎない」などと言う憎まれ口は滅多に言わない。
 ところで、Shrinkした(=縮んでしまった)従来の印刷受注の Pie を Dumping して奪い合う のでなく、新規に Job を横取りして来て、印刷界を潤している
 のに…… どうして Jagra 本部や印刷工業組合は当社を表彰してくれないのだろうか?
 不思議でならない。
 彼らとの差別化のためには、Acrobat ver.6+付属Soft+猛勉強が基本になるが、PDFは 儲かるので絶対に及び腰にならないようにしていただきたい。
 PDF 高速処理のために Document feeder 付きのRICOH製Color scanner(A3)を40万円で 導入した途端に、一桁多い価格のAGFA社製Scannerを廃棄してしまった。
 最近、CANON 社製80万円の Scanner が発売されて悔しい思いをしたが、貧乏会社の当 社にとっては価格 Merit だと言い聞かせて慰めている。
 印刷会社専用機は余りに高価なので、町中の印刷会社としては民生機を上手く使いこな
 すことが大切に思える。
 歴史は繰り返す、などと言えば仰々しいが、事務用の和文 Typewriter を Profesional 用 に工夫して利益を上げていたことを思い出してみたい。
 電算写植・専用組版機・1書体百万円の Font 等々、随分回り道をしたように思える。最先
 端だと思えた AVANUS も WYSIWYG(What You See Is What You Get.)も死語になってし まった。悔やもうにもその時は真実だったのだから、培った Knowhow を活用するしか術
 が無かろう。
 よく考えてみると、世の中は統べからく RGB の世界なのに CMYK で特権意識を持ってい たことが今となっては恥ずかしくなる。
 その反省から PDF 対応では先手をとれるようになった。仮に PDF の世界が100としたら、 印刷会社の PDF 概念は1%に過ぎないことを自覚している。
 自覚すれば新たな工夫と今までの Knowhow が初めて生かされる。

@WIN vs MAC
 数年前のことだったが、お客様から「MAC の Machine を使用して Word で作成しているの で印刷して欲しい」との Job に「Wordは Windows しか存在しませんけど……」と言い切っ
 て大恥をかいた覚えがある。最近は自分の口に保険を掛けるようにしている。
 それでも営業マンは「当社はWINのあらゆるSoftに対応しております」と平気で言っている (=言わせているのかも?)。
 「Power Point」のData処理はいつでも冷や汗ものだし、最近では「Personal編集長」の多
 頁Color冊子では胃の痛む思いだった。
 しかし、その積み重ねがいつの間にか差別化につながり、当社の生き残る道のように思え てならない。
 Illustrator・Photoshop・Pagemaker には MAC 用と WIN 用が販売されていることを知らな い方が意外に多い。
 当社では両者の Bundle soft 購入が不可避なので Cost up につながり、おまけに予告な しの Version up や Bug 対応には辛いものがある。
 Illustrator ver.10 も Hybrid 対応(=MAC・WIN 両用)しているが、喜んでしているわけでは ない。流れに逆らえず、泣く泣くそうなっただけのことである。おまけに Illustrator ver.10 を 当社で POD 出力するのは造作もないことだが、製版会社で出力することは殆ど不可能に 近い。近い、と言うのは、それなりに Knowhow があるのだが、ここでは伏せておく。
 広島は 支店経済で成り立っている、と言われる。当社のお客様には、上場企業の支店
 が多い。と りもなおさず、東京の Data 処理 Level が Straight に入ってくる。
 数年前にも「In Design 処理の見積もりは可能か?」との問い合わせに、二つ返事で、高め に計算して提出したら受注成約になった。急遽、PC Shop に In Design の Softを 買いに
 行って Prepress 部門に渡した。彼らは何も言わずに処理してくれた。当社員の資質の高 さと社員教育の賜だと今更ながらに実感している。
 仮に「社長、いきなりでは無理ですよ」と言ったとすると、「大変は解っているが私は金の苦 労をしている。おまえたちは Data 処理の苦労をしてくれ」と言われるのが嫌なだけなのか もしれない。
 ODP でも CTP でも究極の Data 処理は、Full Digital に拘泥せず「Digi Anaで勝敗を決す
 る」は、当社の Top Secret なので Detail な説明は省略する。

@可変印刷「Variable print」は Package soft+Customize が不可欠
 Word processor の「差し込み印刷」も一種の可変印刷になるが、写真の差し替え・文章の 差し替えになると市販のどんな高値な Application Soft でも対応不十分になる。
 お客様の Needs もしくは Wants に対応するためには、Detail な Customize が必要になる ことが最近ようやく解った。
 知らないことを幸いに「当社はどんな可変印刷でも対応します」と大風呂敷を広げていたこ とが些か恥ずかしい。
 しかし、あまり反省はしていない。PODは 少部数とは言い切れない、と前述したが、可変
 印刷は時に Customize の Cost を Clear するだけの大量・継続受注に醍醐味がある。
 Business Chance は、忍び足でそーっとやって来て、気が付かなければあっという間に逃
 げてしまうものだと営業マンに指導している。

@DM Full Filment Service
 「可変印刷可能」を売りにして、初めて受注可能になる。
 葉書の場合は、可変出力+圧着+Scratch印刷etcで付加価値を高められるが、最近は
 余り差別化商品にはならなくなってきた。
 DM の醍醐味は、入稿(時には原稿作成)から郵便局手配まで一貫して請け負うことに尽 きる。Customer Bar Code・自動封入 System・郵送料割引制度活用が決め手になるが、 長くなるし、Security 面でも割愛させていただく。

@H.P.(Home page)は Clicks & Moratr に尽きる
 Bricks & Mortar (煉瓦と漆喰)と言う英語を耳にしたことはあるが、「硬軟相交える」とで
 も訳せば良いのだろうか? 
 H.P.を硬いもの、Mail Magazine を軟らかいものと捉えて頂きたい。
 その注力比重は、前者40% vs 後者60%が相応しいように思える。
 当社ではメルマガの発行は1か月 Cycle だが、おなじ広島の N 社は毎週発行されておら れる。当社の Contents は手前味噌で行儀の悪さを売り物にしているが、N 社のそれは真 反対で折り目正しく、理に叶っているように拝察する。比較すること自体が烏滸がましく、
 N 社におかれては失礼千万な話であろう。
 それでも私は、N 社のメルマガ Fan の一人である。
 そして、メルマガ発行頻度及びその Contents も検索 Ranking に影響するらしいと漏れ聞 く。要するに、日々の努力が Web Business の成功確率を高めると 言えよう。
 生意気な事を言って申し訳ないが、発展継続する印刷会社を標榜するからにはH.P.開設
 は必要十分条件だと言えよう。それ以上に Contents(H.P.の掲載内容)が肝要で、単なる 会社案内では社長のMasturbation でしかなく、銭の無駄遣いのように思える。
 当社も「Digital 印刷会社」宣言したからにはと、数年前に室町 Group 会社(後述)に格安
 で外注依頼した。当時、初期費用は15万円だったように記憶している。
 先に Ad balloon を挙げたと言うか、開設した後から H.P. の勉強を始めたのが実状であ
 る。ところが Pre press 部門にとっては、Web 版下(?)作成は非常に簡単なものらしく、毎 月のように更新・増頁を繰り返しているうちに150頁くらいになってしまった。
 「くらい」というのは、実はよく把握していないと言うこと、これ間違いない。
 時にはお客様のH.P.開設受注もあり、Web to Print または Print to Web と言う Data 再利 用も当社の特技だと吹聴している。
 書換えを頻繁にすることも一因なのかもしれないが、検索 Engine の上位に Rank され、北 海道から九州まで商圏が拡がってしまった。
 Acces 数は、毎日30件くらいで、見積もり依頼は多い日で10件くらいになる。
 と言っても、引き合いがあって受注成約する確率は10%くらいで、一件の受注価格は平均
 10万円に満たない。
 受注内容は、QUO Card・Ondemand 下敷き・Ondemand Tag・Ondemand Album・絵手紙・ Clear File などの Personal な、しかも Spot 受注が大半になる。
 それでも毎年 Repeat 受注が増えつつある事は間違いない。
 Web 受注の Merit は、「営業 Less 経営」と「不良債権発生率 Zero」に尽きる。
 詳細を説明したらきりがないので、ここでも Knowhow は出し惜しみしておく。
 以下に当社 Knowhow の一端を掻い摘んで紹介する。
・QUO Card   大半は Mail 入稿・Mail 校了で Management speed が 勝負になる。
          経理面ではQUO Card代金を立替金にしておかないないと大変なことにな
          る。
・下敷き     学校・幼稚園等からのRepeat受注は毎年着実に増加 している。
          アイベストorユポ紙にODP出力〜150ミクロンの ラミネート加工〜トムソン型
          抜き角丸加工の工程になる。
          Toner定着するのにWax方式が相応しいが、Oil定着方式のMachineでは用
          紙とラミネートFilmがはがれてしまう。
          また、裁断仕上げ時には「滑り」には細心の注意が必要 で「Virtual
          Marking」(当社隠語)がCost down には 欠かせない。
・ODP Album  養護学校・料理教室・老人大学etc 50人未満の卒業生の組織を Target に
          している。
          ODPは本質的に両面印刷が苦手なので「張り合わせ製本」(または二つ折り
          製本とも言われる)により弱点を補える。
          少部数での上製本と製函でも冒頭の製本会社さんは気持ちよく引き受けて
          くださる。
・Clear File   従来は Process 印刷が主流だったが、Offset印刷が可能になった。
         塩ビ Sheet に Mirror print (鏡面印刷)+白色印刷+ニス引き加工
         を6色機で、一工程で仕上げる。
         Mirror print は、裏面から刷るため画像の左右を逆転させなければならな
         い。
         白色印刷は、Film が透明なので、Color 画像を引き立たせるためでニス引き
         は、使用時に Ink が剥げるのを防止するための処置である。
・三国志    Web Business を展開している(有)East Web との Alliance により自社商品と
 下敷き    して好評発売中。「ご希望の方はご注文下さい。」
         印刷会社が自らの企画で印刷物を作り販売すると言う新たな試みに
         Challengeしている。
         三国志Callender・三国志年賀を今年中にRelease予定している。
         因みに三国志刻印 ZIPPO ライター・三国志携帯ストラップ・三国志
         Mouse Pad ・三国志特大ポスターの販売も目論んでいるが、果たして売れ
         るかどうか?
・絵手紙     「葉書10枚受注しても商売にならない」はずだったのに、絵手紙教室から複
         数名がそれぞれ複数点発注があるとは意外だった。
         入れ込んで作戦展開しても空鉄砲のことも有れば、及び腰の作戦から上手く
         展開することもある。

@室町年賀System 「Digital印刷会社宣言」には、京都室町印刷での年間数回の情報交換
         が大いに手助けとなった。
         北海道から九州までの先進印刷会社?が参集して、お互いに手の内をさら
         けだす程の情報交換は何者にも代え難い価値がある。
         出力Centerや写真製版業からまず最初に E-Print を導入し、CTP まで導入
         されたプリプレスセンター(北海道)や近土写真製版(大阪)PDF 処理で大き
         な Hint を与えていただいたミックデータサービス(関西)etc
         他にも紹介したらきりがないほどの各社との出会いは貴重な財産と なってい
         る。
         毎回のように Guest 参加者が出席し、今回は ASKUL の印刷部門を請け
         負っている「帆風」と言う会社が参加され、その報告は衝撃的だった。
         過去にもAmerican speedy(東京)の山田社長、経済誌に掲載される大谷印
         刷(新潟)、POD から CTP まで Full line up しているデジタルグラフィックス社
         (神戸) はんこ屋が本業でありながら年賀状受注が1万件を越す滋賀の「は
         んろく」、四日市の「星光堂」、九州の「キューイン」 etc 枚挙にいとまがない。
         System 加盟店は、地域限定独占販売権を有するが、中四国地域は穴場
         で、今までは当社のみだった。
         「だった」というのは、昨年当社が岡山のF社を紹介して、加盟されたから過
         去形になった。
         毎年の加入料金だけでも40〜100万円かかるし、チラシ・見本帳etc の年賀
         Tool を準備した段階でかなりの金額になる。
         これを高いと捉えるか、安いと判断するかは、各 System 加盟会社の価値
         観や戦略によって異なる。
         当社は「年賀状 Business」だけでは室町 System の中では落第生に近い
         が、加盟料金を「研究開発費」と捉えて十分 Pay していると言い聞かせてい
         る。

@作戦・作戦・作戦
 Jagraの青木事務局長(?)は「印刷会社のTopは勉強しない。勉強・勉強・勉強!」と言わ れる。けだし同感である。 私のおもちゃ箱には「ハイエナ作戦」「山の彼方の尚近く作戦」
 「Love Letter作戦」「似 顔絵作戦」「トリセツ作戦」………………
 Digital 化によって増殖しつつある。
 時々、引き出しをひっくり返して、水子供養をしてやらないと扶養家族が増え過ぎて困って しまう。
 20年くらい前に、経営Consultantから新商品や新作戦開発の必要性の Advice を受けた
 ことがある。当時は「そんなに簡単に開発できるものか」とたかをくくっていた。しかし、習慣 化すると Hint はいくらでも発生する。
 泉のようにこんこんと湧いてくる事はないが、ジクジクと滲み出てくるものである。
 下手な機関銃もうち続ければ、時々 Hit することもある。

 昨年から今年に掛けて、大病で三度入院したが、したたかに淡々と生き続けている。多く
 の方に筆舌に尽くせぬお世話になったことを紙面を借りてお礼申し上げる。生きとし生かさ れていることを感謝し、寿命が尽きるまで自分に与えられた本分を全うしたい、と言うのが
 偽らざる心境である。明日死すとも何の悔いもなく、飄々と作戦展開を続ける。
 作戦展開をしなくなったときが私のRetireの時であろう。
──────────────────────────────────────
書き残したことも多々あるが、書き始めて3時間が経過した。時計は24時を回りかけてい
て、これ以上無理をしているとまたDoctor Stopがかかりそうなので、この辺で勘弁していただきたい。                                     (2004.5.11.23:50)

                                                   鬼



第26号
■目次■
1、「トリセツ作戦チラシ」の再作成
2、サポート情報

              「トリセツ作戦チラシ」の再作成


PowerPoint はプレゼン(Presentation)用の Soft として Popular である、と言うよりも寧ろ業界の Standard になってしまったと言う方が相応しい。
版下 Design の Professional として一家言述べたいところだが、一般企業の素人さんたちでも充分 Appeal 可能な Contents を作成されておられる。

PowerPoint の Data を預かり、印刷 Data に置き換えて Cost Down を図るのが我々の宿命であり醍醐味でもある。PowerPoint には印刷会社のトンボの概念が無く、A4の用紙にはA4で出力され、A3の用紙にはA3で出力される。若干の動画機能もあり、印刷出力するには、適した Soft とは言い難い。それらを十分に把握した上で Convert するのだが、詳細は当社の Security 面もあって割愛する。

最近の Seminor 現場では、Soft 面の充実以上にHard(Projector)面の進化も著しい。つい先日まで使われていた OHP(Over Head Projector)とは隔世の感がある。
Projector の大きさも Note PC と変わらないくらいまで小さくなって、しかも肝心の輝度(Screenに映し出される明るさ)は申し分ない。Wireless 機能により Cable 接続の手間も不要になり、Cool down 機能等も進化して使い勝手は大幅に進化している。

ところが数年前までは、「販促 Seminor」や「商品説明 Seminor」etcでは出席者に配られるレジュメ(仏語 Resume)はモノクロが殆どのように見受けられた。
Projector によって映し出される画面がFull Colorなのに、レジュメがモノクロでは興ざめになる。アカとクロの混じったグラフでは色の識別が出来なくなり、説得力に欠けてしまい、参加者が帰社後に復習しようとしても不都合が生じていた。

当社の「トリセツ作戦」では、Power Point の Data をモノクロとカラーで出力・製本して、双方の見積計算書と「Color Resume のお勧め」と言う企画書を方々に配布した。
数年前までは、Power Point の Dataを扱える印刷会社が少なかったのが幸いした。そして本格的 POD Machine を導入していないと勝負に打って出られないので、差別化には大いに役立った。
「トリセツ作戦チラシ」を作成して日経新聞に折り込んだら、それなりの引き合いも有った。チラシの売り(=Contents)は、「費用対効果」でレジュメを Full Color にした費用と成約率比較を Appeal point にした。
   「100万円のものを売るのに、1万円・2万円をケチって Business Chance を逃がした
    ら損ですよ」と。

その売り込みが功を奏して、数件受注出来た矢先に、ある1社から Claim が発生した。
   「高い金払ってレジュメに色をつけても、さっぱり効果がない」
とのことで、早速先方に訪問した。Seminor の担当社員さん(お客様のことを少し頼りない、なぞと言う言葉は禁句だが)とお話をして、およその見当が着いた。次回 Seminor に参加させてもらって「カイゼン書」を提出する約束をした。


要約のみ以下に記す
1.Seminor 会場の大きさと AV 効果が合致していない
   ・「後ろの方は見えにくいでしょうが」「後ろの方は聞き難いでしょうが」を連発するより    も根本の解決策を講じたい
     Screen の文字が小さくならないように一画面の Contents を減らす etc
      (だからこそ Color Resume の必要性の説得はぬかりなかった) 
   ・講師自身が予め一番後ろの席で聞き手としての疑似体験をするべき
    会場全体に音声が届くように機器配置の工夫 etc
   ・AV 効果に拘りすぎて、照明を落とした時に講師の顔が全く見えないと、疎外感を    感じる
2.Seminor 会場に何人来客されるかの推計が不充分
   ・何人の人に対して喋っているのか、自覚と予行演習が足りない
   ・喋る速度・抑揚・顔の動かし方 etc に工夫が欲しい
3.Power Point の Technic に拘りすぎている
   ・何のための Seminorか? の根幹から逸脱して、枝葉末節がてんこ盛りになり    過ぎている 
   ・若干の動画機能により矢印が動くと臨場感も説得力も増すが、余りにも文字の    回転やピカピカの連続は辟易する

上記を先方様が極力傷つかないように腐心して上梓した。それでも効果が無かったらヤバイ(取引停止か?)な、と言う気持ちは払拭出来ず、眠れぬ夜を過ごした。
果たして、数週間後に先方の講師と社長からお褒めの言葉を頂いた。
   「最早、紙の上にインクを載せていて食える時代ではない。『Solution』や『企画提案』
    の真意を深読みしろ」
と社員に吹聴し始めたが、まさか彼らは私の言葉に辟易していることはあるまい???

ついこの間 Release した筈だった「トリセツ作戦チラシ」も、たった4年間で時代の Needs に合わなくなった。加筆修正して再 Release したのだが、以下の Click で不充分に感じられる方は E-Mail でお申し込み頂きたい。
先着50名様に実物のPODチラシを送付いたします。

                                                   鬼


◇オフィスサポート◇ 情報

オンライン窓口として「オフィスサポート」を開設しています
どこに頼むか迷ったとき「オフィスサポート」がお手伝いさせていただきます。
掲示板も設置していますのでご覧ください

掲示板⇒http://8211.teacup.com/business/bbs

 

第25号
■目次■
1、「士・農・工・商・印刷会社」
2、サポート情報

              「士・農・工・商・印刷会社」


印刷界で「大凸(=だいとつ)」と言えば大日本・凸版印刷のことになる。
仕事に貴賤の区別はない」と言われているように、大凸の下請けで食っていても何ら恥ずかしいことではない。

寧ろ、当社のように下請け受注をしない会社は受注が不安定であり、常に新規開拓や新商品開発の必要性に迫られる。
Idea や新作戦に行き詰まったときには「当社は、印刷会社の水商売を地でいっているのだから、停滞は許されない」と無い頭を無理矢理働かせて、叱咤せざるを得ない。

受けた仕事をすべて当社で制作することは不可能なので、信頼のおける外注先に委託している。
その Collaboration や Alliance を良好に保つために、常に姿勢を正している。
姿勢を正す、とは一概に道徳的になる事とも言えないし、道徳以上の厳しい一面もある。
「お客様以上に外注先には頭を下げろ」と常々教育している。小泉首相の「三位一体」とは意を異にするが、「仕事を発注していただく」 Side と、当社と、「仕事を引き受けていただく」Side とを同 Level で捉えている。
これこそが、Collaboration や Alliance の根幹だと捉えて、この軸足を変える気持ちは毛頭ない。

逆に、下請け仕事でも安定した受注窓口がたくさんあれば、Machine(投下設備)の稼働率が計算できる。
と言うことは、とりもなおさず経営安定に寄与することになろう。
欧米の中堅印刷会社は、殆どの企業が下請け形態をとっている。
おまけに欧米では、日本のような下請け発想ではなく Maker 発想になっている。
Business Like に計算して赤字受注は端から受け付けない。
我が国では「元請けの無理な要請を一度でも断ったら、次から仕事がこなくなるのでは」と顔色を伺うようになっている。
「士・農・工・商・印刷下請け会社」などと揶揄され「すまじきは下請け」と言う言葉が跋扈してしまう。
とても嫌な言葉でなので、いつしか廃れることをそこはかとなく願っている。

「二匹の大きなぞうさん」と「ありんこ」の比喩が我が国の印刷界を端的に表しているように察する。
規模だけでなく、構造以前の Mental な力関係はそれ以上のものであろう。
「ありんこ」とは当社 Class のことではなく、当社の十〜百倍規模の会社のことと解釈して頂きたい。

数年前に、ある大手の印刷会社から「中堅流通会社」の Manual 週報作成の引き合いがあった。先方が当社の名前など知る由もなく、情報処理産業の大手から紹介を受けたと言うことで来社された。
毎週木曜日から順次 Web 入稿があり、三晩徹夜して土曜日の午後納品体制で、A4フルカラー200頁の300冊くらいの Volume だったと記憶している。
そのためには、Prepress 部門の二交代要員を二名増員し、POD Machine を増設する必要がある。
それでも、Hard な Task を継続すれば予算的には消却可能な積算が出来た。
見積書に三年間継続発注の確約の一筆を加えた。
先方からは、当然削除するように Claim が届いた。
「この類の仕事は、印刷物配布方式から、各拠点に Web 配信方式に転換する可能性が高い。継続受注体制を整備するための初期投資の回収に6年かかる。3年継続が見込めないのなら引き受けられない」と鄭重にお断りした。
まさか「いつ下請け発注先を変えられるか解らないから」と言うような失礼なことは言わなかった。
経営 Top の姿勢として賛否両論あろう。実は私も納得して出した結論だったが、正しかったかどうかよく解らない。

                                                   鬼

第24号
■目次■
1、Bi-Lingual
2、サポート情報

                  Bi-Lingual


大正モガ(Modern girl)のおばあちゃんは、商社勤めで片言の英語を話していたらしい。小さい頃は外地引き揚げの父親と家族5人で外国映画を見に行くのが唯一の楽しみだった。小学校の頃から英語に親しむことが出来たのは、私にとって非常に Lucky だったと思える。両親ともに「狭い日本で満足するな」が合い言葉だったので、幼い頃から「世界を股に駆けるJouranalist」になることを夢見ていた。

中学になって、学習塾に行くことは許してもらえなかったが(行きたくもなかったが)流川協会の英語塾に通うことを勧められた。おばあちゃんは英単語に片仮名をふる事を許してくれず、発音記号による発声を厳しく躾られた。英文学部出身の24、5才のおばさん(15才の私にとっては、当時はそんな感じだった)が口の中に指を入れて舌使いを矯正してくれた。最初は恥ずかしいので嫌だったが、発音が上手くなると誉められるのは嬉しかった。そのうち、何となくむず痒く感じるようになってきたが、Voice Trainning を Master した頃からしてもらえなくなった。
岩国の Base Camp から Yankee や Negro の兵士たちとの Broken な英会話を楽しめるようになっていた。学校帰りに、100Meter 道路沿いのACC(アメリカ文化センター)に行くと職員家族との Dinner に招待してくれたり、Voice of Ameica の冊子を Present してくれた。中間試験や学期末試験の最中でもその冊子を読み耽っていた。本通りの「丸善」で英書をめくったり、友人に頼まれて英文 Typewriter で Love Letter を書いてやったりしていた。

同志社大学2回生になったときには同時通訳が出来ていたし、ドイツ語もどうにか一年間で通訳できるようになっていた。フラ語(フランス語)・チャン語(中国語)・ロシア語も先輩のText book を借りてかじり始めていた。
やんごとなき理由で Jouranalist になることを諦めざるを得なかった。折角今まで勉強していたことが無駄になり、おばあちゃんに済まない気持ちでいっぱいだった。

メシを食うために印刷業に身を転じたが、焦燥感を掻き消すために、昼夜を問わず猛烈に働いた。不思議なもので、印刷会社の経営 Top を十年以上必死で勤めたころから、まんざらでも無くなり、今はこれで良かったのでは、と納得している。小さい頃からの夢が実現したとしたら、それなりの仕事はしていたかもしれないが、果たして現在の心境には成れなかったように思える。
経営者ならお解りであろうが、社長業とは言うに言われぬ「忍耐」と、自分の生き様に反するほどの「妥協」の連続だと言っても差し支えない。
言い訳は許されず、それらを平然とやってのける程には人間は枯れていないが、前者の生き方をしておれば高慢知己な性格は治らず、妥協を知らぬ価値観の儘だったように察する。

Journalist 志望の名残かもしれないが、私の文章にはやたらと Alphabet が出現する。当社の「メルマガ」読者から Claim があった。文句は言っているのではないが理由を聞かせて欲しい、との由、その訳は
1,おばあちゃんの影響で片仮名で発音したり明記することが苦手になった
2,片仮名だと言語本来の意味が分からなかったり曖昧になるのを避けたい
  デジタルやオンデマンドを最初に耳にしたときに非常に下品で嫌な思いがした。無理に
  片仮名表記すると、ディジタル・オンディマンドゥになるが、それを日常会話で押し通す
  と、きざな奴と言われるので皆に併せて Japanglish 発音している。
3,欧米人にバカにされたくない
  いろいろ問題があるものの自分の生まれたこの美味し国が嫌いになれない、と言うの
  が私の本音のように思える。
  欧米人と接することが普通の人より、ほんの少し多い私は愛国主義者を地でいくように
  している。我々のことを Orient と呼ぶのは致し方ないが「極東」(=Far East)とは呼ば
  せないようにしている。「大日本帝国の地図を見ろ、何が遠く離れた東か?」Source of
  Sun 日の本の国が中心だろう、とこじつけている。
4,片仮名入力より Alphabet 入力の方が速いし、誤植が少ない
  日本語の誤変換は見逃しがちで時々とんでもないことになるが、殆どの英単語は PC
  が Spell Check してくれる。横着者にとっては非常に便利な 機能になっている
  私の PC は、Alphabet を記憶学習していて、Alphabet を3,4文字打つと全 Spell が変
  換できる。PC が Bi-Lingual になっていて便利なようだが一つだけ困ったことがある。
  Virus 感染時や買い換えによる再 Install 時には少し不便を感じる。

                                                   鬼


 
第23号
■目次■
1、Digital Camera考察
2、サポート情報

               Digital Camera考察


@Digital Camera考察(その1)

Digital 機器の進化は著しく、数年すれば性能は 2倍になり価格は 2分の 1になってしまうことは、いまや常識となっている。
中でも Scanner と Digital Camera の進化には目を見張るものがある。
10年前に1千万円もした Scanner と、先月更新した40万円の RICOH 製 A3 Scanner との性能を比較しても、さほど遜色ないように思える。
Filmのような透過原稿を扱えないが、使い易さでは数段上回る。
Document Feeder (自動原稿送り装置)がついているので、 PDF 作成時には信じられないほどの Cost down につながる。
100万円以上して、まだ Lease 残のあるA社のScanner を社内の誰も使わないので、泣く泣く廃棄処分にしたほどである。

同じく Digital Camera も400万画素以上になると、銀塩 Camera と遜色ないほどに品質が向上している。
而も Data 再処理可能・色分解不要で、時に移動式簡易 Scanner の役目も果たし、良いことずくめとも言えよう。
Data 再処理機能の用途は無限大に近く、色分解不要と言うことは版下作成時間が大幅に短縮し、 Cost も驚異的に下がった。
お客様にとっては好都合なことばかりだが、印刷会社にとっては短絡的には不都合も多い。家庭の事情ではあるが、製版設備が遊び始め、分解代金がData処理代に化けたため、売り上げ計上が大幅に Down した。
営業マンにとっても、納期短縮による労働条件緩和には繋がったが、売り上げ Norma 達成(当社はNormaは課さない)が難しくなってしまい、両刃の剣となっている。

Digital Camera の性能向上と Price down 及び Work f low 改善は今後も拡大するであろうが、実は私自身は Digital Camera は大の苦手だということを白状せねばならない。
35ミリでもそうだが、銀塩の「ロクロク」や「シノゴ」を使い慣れた者にとっては、液晶画面をのぞきながら Shutter を押すのはどうもしっくりこないのである。
自分の感性で構図を決めて、自分の責任で絵を創るという喜びが無く、お仕着せの感覚になってしまう。
一生 Digital Cameraは使えないのではないかと危惧している。


@Digital Camera考察(その2)

蛇足を付け加えることにより私の真骨頂? 本領を発揮したい。誰だ? そこが私の悪い所だと揶揄している奴は。
学生時代から Journalist を目指していたので Robert Capa が死んだときは少なからずShocking な想いだった。当然 Camera の勉強もしていたし、Profesional な Camera 撮影の手伝いをした経験もある。

屋外で美人 Model さんの撮影時には、大衆の面前で着替えをする場面にも遭遇した。 Assistant が手伝うものの、あっという間に着替えを済ませ、下着に何を着けていたかさえ思い出せないほど Speedy な所作には驚かされた。
「春の Sweater 祭り」と言う Title に相応しく撮るためには、背中に生地を引っ張り寄せ洗濯挟みでとめて、よい形を整えるのである。
何も Model さんが特別 Style が良いから写真映えがして、同じ Sweaterを買っても見栄えがしないと世の女性達は嘆く必要はあるまい。

衣料品店の水着や下着のチラシ受注時には、夜中まで撮影につきあったこともある。
その話をすると、殆どの好色漢が「自分にも助手をさせて欲しい」と異口同音に語る。
しかしいざ仕事となると、たとえ水着や下着の着替え中でも不思議なほど嫌らしい気持ちにならない(成れないのかも?)断って置くが、私もごく普通の男の子なのに……
それよりも Model さんをより美しく撮るために、笑顔を作らせるために腐心してしまう。冗談を言ったり、Pierrot になったりする様は家族には見せたくないが………

また、建て売り住宅販売のチラシ受注時には、現地に赴いて物件を撮影することになる。
小物や人物を撮影するよりも容易いのだが、日照条件に大きく左右される。
午前中に撮影した場合と午後の場合では蔭の出来方が真反対になる。
物件の見栄えが大きく変わってくるのである。
施主に断りを言って翌日午後の Appointment を翌朝6時に変更してもらったこともある。見栄えが違うと言うことは売り上げにも影響を及ぼし、印刷代金の中に占める撮影費用計上額が大きく変化してしまう。
相手の足下を見ているのではなく、真にお客様のためを思うからこそ、精一杯の印刷品質を提供し、それに見合う代償を頂いていた。

時代が変わり、私も現場仕事を殆どしなくなった。
職人技も次第に要求されなくなったが当社の Concept 「Business に徹してお客様のために最善を尽くせ」は大切にしている。
負け惜しみなるかもしれないが、Digital Camera の効用を人一倍知っていながら、未だに使いこなせない自分に対しては、寂しくもなく、また頑固だとも思っていない。

                                                   鬼


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2006.4.4